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トップ>達人紹介コーナー>お酒>第12回 です。

達人紹介コーナー

 
今宵は、何を思いながら一献をかたむけよう。

月が夜更けの優しさを、
星が夜更けの静けさを、
酒が夜更けの温かさを、
ゆっくりと醸し出してくれるまで。。。

人と呑みたい酒がある。
人と呑みたい時がある。

あわただしい一日にピリオドを打ち、
心地よい時が始まるとき、
美味しい酒と、かけがえのない人。
それは、恋人でも、伴侶でも、同輩でも、誰でもあろう。
心置きなく語り、酒を注ぎ、味わい、堪能する。
酒が旨いのは、相手しだいという所以なり。



とまれ、酒を知ることは人の気持ちをほぐすことでもあります。

居心地の良い小体な居酒屋で、コノワタや豆腐の味噌漬を肴にコクのある純米酒を一杯。
気の利いたビアホールでは、ベルギーのヒューガルテンホワイトにアンディーヴやポテトなど。
ワインでいくなら、カベルネやメルロをコンテやミモレットといったチーズでやるのも格別だし、
深夜のバーでじわりと酔うのは、ギムレットなのか、ラフロイグなのか。

お酒の愉しみは、まさに何をどう飲んでも構わないものですが、
だからこそ、何をどう愉しんでいるかを大切にしたいものです。
だからといって、シングルモルトの銘柄を100種類も知っているからとか、
ワインの格付けを全部知っているから偉い、というわけでもありません。
そこにあるのは、その銘柄しか知らずに呑んでいることと、
多くの酒を知りつつその銘柄を選ぶことでは、まったく意味が異なるということなのです。
一見、相反することのようですが、
「知ることの愉しみ」と「知っていることの自慢」は、当然ちがうわけですね。

旨い酒を、誰と呑むか。
いい夜を、何処で過ごすか。
その時間が、どれほどに掛け替えのないものか。
そうしたことを知っているからこそ、
今宵も想いに残る夜を過ごすことができるのです。


純米酒、吟醸酒、赤ワイン、白ワイン、シャンパーニュ、カクテル、黒ビール、白ビール、
モルトウイスキー、バーボンウイスキー、ジン、ウオツカ、コニャック・・・・・
世界には、まだまだ美味しいお酒があります。
そして、その多くを楽しむことのできる機会もあります。

お酒の種類はさまざまですし、お酒の美味しさもさまざまです。
いつ呑んでも、何処で呑んでも、誰と呑んでも、そして何を呑んでも愉しいもの。
だからこそ、何をどう愉しんでも自由ですが、
「知ることで選ぶチャンスが広がり、知らなければ選べない」ということ。
知っていれば、より面白く愉しいのは、もちろんですね。

今宵はふだん呑まないお酒でも味わってみましょうか。

初めて飲んだお酒のことを覚えていますか?
いちばん好きなお酒はなんですか?
今夜はどんなお酒を愉しみますか?


そう、乾杯はいつも誰かと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


連載期間はご愛読いただき、ありがとうございました。
ぜひ、粋なお酒を愉しんでくださいね。

それでは、またお会いできる機会を楽しみにしつつ。
乾杯!!

     

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