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トップ>達人紹介コーナー>お酒>第2回 です。

達人紹介コーナー


◇そろそろ冬も本番です。
朝夕の風には、ずいぶんと寒さを感じるようになってきました。
こう冷えると熱燗で一杯、というのが定番かもしれませんが、初冬の長い夜を香り高い吟醸酒で楽しむのも、また一興。
それでは、吟醸酒とはどんなお酒なのか。少し探ってみましょう!
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◇日本酒はどうやって造られる?
いまさらですが、日本酒の原料は米ですね。そして米麹と水から造られます。
日本酒はワインなどと異なり、原料に糖分が含まれていないので、米麹の力で、アルコールを生むために米のデンプン質から糖分を分解します。

ところが日本酒を造るためには、米と米麹などを一度に混ぜてもなかなか発酵しないのです。
そのため、まず全体の10%ほどの米と米麹を使い、酒母(しゅぼ)を造ります。この酒母のことを「もと」といいますが、まさに酒の母なのです。
酒母はアルコール生成に必要な酵母をたくさん育てますし、ここに含まれる乳酸は、酒造りにとって不必要な細菌が繁殖することを防ぎます。この酒母に麹と蒸し米と水を加えアルコール発酵をさせて、モロミが育ちます。酒母が日本酒の母ならば、モロミはいわば日本酒の子供ですね。
仕上げは出来あがったモロミを搾って、日本酒の完成です。

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◇日本酒の分類・特定名称とは?
清酒の定義というものが、酒税法第3条第3号に規定されていますが、定義の基本は「米、米麹及び水を原料として発酵させてこしたもの」とあります。まったく当たり前の結論ですね(笑)
しかし、ここに吟醸酒の規定はありません。では、どこに吟醸酒のことが定められているのでしょう?

酒税法で定めている酒の定義のほかに、特定名称というものがあります。(※)
これが、吟醸酒・純米酒・本醸造酒などの表示条件を定めたものですが、決して、日本酒のランクや優劣を決めるためのものではないので、誤解なさらないように。
おわりにその分類を掲載しておきますので、ご参考まで。

※「清酒の製法品質表示基準」(酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づき施行)
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◇そこで吟醸酒造りを見てみましょう。
使用原料は米・米麹・醸造アルコール。アルコール使用料は白米重量の10%以下であること。
精米歩合は60%以下であること。また「吟醸造り」で、固有の香味及び色沢が良好なもの。
醸造アルコールを使わない物は、純米吟醸酒と表示してもよい、となっています。

精米歩合60%とは、玄米の外側から40%を削り落とすということです。
玄米の外側には、タンパク質や脂肪、無機質、ビタミンなどがありますが、これらが日本酒の香味や色に影響しますので、外側を削ってこの成分を減らすのです。

では「吟醸造り」とはどのようなものでしょう。
まず、米は特別に栽培された酒造好適米を使います。代表的な銘柄で、「山田錦」や「美山錦」という名前を聞いたことがありませんか?大きな特徴は大粒(たいりゅう)、心白(しんぱく)、軟質(水を吸いやすい)と言われます。
大粒は文字通り大きな米粒であること。40%も削りますので大粒であることが大事ですね。
心白は、米の中に白い芯部分があること。これはデンプンが豊富ということです。
軟質であることは、水を充分に吸うことで麹菌の菌糸が米の中まで入り込み、
また、モロミに溶けやすくなるということです。

こういった酒造好適米を時間をかけて精米します。
精米歩合60%となると、米は丸い小さな玉になり、白い小さな真珠のようにキレイなものです。

香気の高い酒造り用の麹と、吟醸酒用として評価の高い酵母を使い仕込みます。
仕込んでからは、低温(10℃以下)でゆっくりと発酵させます。
低温であるほど発酵に日数がかかり、手間とコストもかかるのですが、こうして、フレッシュでフルーティな吟醸香が生まれるのです。

吟醸造りのもう一つの特徴は、味にあります。
精米によって米の外側のタンパク質が少なくなるので、仕上がった酒のアミノ酸も少なく、雑味の少ない、上品で淡麗な味わいに仕上がるというわけです。こうした特別な酒造りを「吟醸造り」と呼んでいます。
なかでも精米歩合が50%以下で、香味、色沢が特に良いものが大吟醸酒というわけですね。
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◇アルコールを加えるワケは?
本醸造や本醸造タイプの吟醸酒では、一定の醸造アルコールを加えることが認められています。
日本酒は米、米麹、水でつくられるものという基本から言えば、ナゼ?というところですね。
歴史的には、柱焼酎といって貯蔵桶の内側に焼酎をふりかけ、腐造防止に役立てていたこともあり、当時(1685年)の技術書である「童豪酒造記」には、「味がしゃんとし、足が強く侯」、つまり、味がしっかりとして火落ち(腐造)しにくくなる、と記載されているそうです。モロミにアルコールを加えると、香りや味の成分が引き出されて香味が高くなります。また酒質が淡麗になり、いわゆるキレのよい酒になります。

多くのものが添加されているような酒は論外として、特定名称の日本酒であれば、味わいの好みで選んでみて良いのではと思います。
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◇日本酒度はなんの数字?

日本酒度は日本酒の比重を表す数字です。
日本酒度計や日本酒メーターと呼ばれる比重計(浮き)を使いますが、糖分などのエキス分が多いと比重が大きくなり、浮きが持ち上がって数値はマイナスになり、逆にエキス分が少ないと、浮きは沈み、数値はプラスになります。
 ・+5以上は辛口
 ・+4〜−1前後はやや辛口
 ・−2〜−5は中口
 ・−5〜−10は甘口
実は、日本酒の味わいはこの数値だけでは決まらないのです。酸度やアルコール度数、温度などによって味わいは左右されますので、その目安として、日本酒度を活用するとよいでしょう。
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◇お気に入りの器と肴で一献!
香り高い吟醸酒は、ワイングラスのような器で楽しむのもオシャレですが、そこはやはり日本酒、お気に入りの焼きものでやりたいものです。あふれる香りを楽しむのであれば、やや口が広がっている酒器もよいですし、吟醸酒のイメージには、京焼や九谷焼のような品のある凛とした磁器が似合います。
また備前焼や信楽焼のような、土の温もりを感じさせる陶器でやるのも、粋な姿です。

香り高い吟醸酒だから肴はいらない、ということもありますが、せっかくの夜長ですから、その香りをこわさない、美味しい肴で楽しみましょう。白身魚のお造りや、淡白な魚の塩焼き、しんじょ、白焼きなど軽やかな肴がよく合います。
上品な魚介の旨みとはよい相性ですし、ポン酢やレモンなど柑橘系のアクセントも妙味です。
濃い味つけのものや、脂がきついものはあまり相性がよいとは言えないので、そういう肴は、また違うタイプのお酒で楽しみましょう!(笑)
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◇そして楽しむ初冬の夜。

味わいの好みはそれぞれですから、なにが最高峰ということはありませんが、なんにしても、吟醸酒はそれだけ手間のかかった日本酒です。長い夜、ゆっくりと香りと味わいを楽しみながら過ごしてみては?
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◇では最後に資料編、特定名称の分類です。

純米大吟醸酒 大吟醸酒 純米吟醸酒 吟醸酒
使用原料 米・米麹 米・米麹・醸造アルコール 米・米麹 米・米麹・醸造アルコール
精米歩合 50%以下 50%以下 60%以下 60%以下
アルコール添加 なし 白米重量の10%以下 なし 白米重量の10%以下
備考 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好である。 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好である。 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好である。 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好である。
純米酒 特別純米酒 本醸造酒 特別本醸造酒
使用原料 米・米麹 米・米麹 米・米麹・醸造アルコール 米・米麹・醸造アルコール
精米歩合 70%以下 60%以下 70%以下 60%以下
アルコール添加 なし なし 白米重量の10%以下 白米重量の10%以下
備考 香味、色沢が良好である。 香味、色沢が特に良好である。
特別な製造方法で製造したものは製造方法の説明表示がされたもの。
香味、色沢が良好である。 香味、色沢が特に良好である。
特別な製造方法で製造したものは製造方法の説明表示がされたもの。


次回は「シャンパンの華麗な宴」です。新しい年は華やかな乾杯で!
     

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